カーポートは近年種類も豊富です。
スタイリッシュなものは片側支柱で、広々と使え、柱の存在感を消すことができます。
しかし台風などの際には危険ですので、台風がよく通過する地域や強風がよく吹く地域などは、両側支柱のカーポートが良いでしょう。
その他にも、台風対策として、ロープやネットを使う方法もあります。
その際のコツや、注意点、その理由を詳しくみていきます。
目次
カーポートの台風対策でロープの結び方や注意点とは?
雨の日に大事な車を守ってくれるカーポート。
一軒家の20パーセントほどは、カーポートを設置しているようです。
しかし台風の際、カーポートがとても危ないことをご存じですか。
実は台風の際、カーポートが飛ばされることがあるのです。
ではその原因と対策を考えていきます。
カーポートが風で飛ばされる原因
カーポートはなぜ飛ばされやすいのかというと、風を受けやすいからです。
下から風に吹きこまれると飛んでしまいますよね。
また、ものすごい負荷がかかったときに、支柱まで倒れる大事故にならないように、屋根部分は離れるようになっています。
驚きの事実ですよね。
ロープでの台風対策方法
では、カーポートが台風で飛ばされないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、ロープで結ぶということです。
ロープはホームセンターなどで販売されているビニロンロープやクレモナロープ、ナイロン被覆ステンレスワイヤーロープを用意します。
このロープは、屋外利用でも耐えられる非常に丈夫なロープです。
次に、カーポートの屋根部分にある柱にロープをかけます。
ここまでは皆さん思いつくところですが、ここから2通りに分かれます。
- 一つめは、地面にアンカーボルトを打ち、台風接近の際にそのアンカーボルトにロープを通して固定させる方法
- 二つめは、土嚢やあらかじめ用意しておいた錘(おもり)を用意し、そこにロープを固定させる方法
どちらも、ロープの結び方は「もやい結び」をおすすめします。
ロープの結び方は「もやい結び」で
もやい結びは、防災用の動画にも多数紹介されています。
その結び方は、船舶を扱うときに使うことで有名ですが、災害時や、最近はキャンプの際にも大変役にたつ結び方です。
なぜもやい結びが良いのかといいますと、もやい結びはほどけにくく、またほどきたい時にはきれいにほどけるからです。
覚えておいて損はないですね。
もやい結びを、文字で説明するのは難しいので、ぜひ「もやい結び」の動画をご覧ください。
また、ロープの種類によっては、先端にすでにカラビナやフック、バックルなどがついているものもあります。
それであれば、少し対策が遅れて雨風の中のロープ取付作業になっても、自分で結ぶより簡単ですね。
ロープで固定する際にぎちぎちにロープを張ってしまうと、風を逃さず全面に受けてしまう危険があります。
そのため少し緩めて、パタパタできる程度にしておくこともお忘れなく。
カーポートの台風対策はネットでできる?注意点は?
カーポートの台風対策として、ネットを使う方法もあります。
市販の防風ネットでいいのですが、注意点があります。
それは、ひどい強風のときには、その対策が逆効果になることもあるということです。
飛ばされたくないためにした対策ですが、カーポートはある一定の負荷を超えると、支柱から飛ばされて大事故にならぬよう、屋根が外れる仕組みになっています。
屋根はポリカーボネートなどでできていて軽いので、飛んだとしても支柱ごと飛ばされるよりは被害が少なく済みます。
その、屋根部分を飛ばないようにネットで押さえ込むことは、危険も伴うこともお忘れなく。
台風の事前情報をよく見て、対策を練ることも大事ですね。
カーポートが風で飛ぶのはありえる
実際に近所でおきました。
台風一過の朝、まだ新築間もない近所のおうちのカーポートが飛ばされ、我が家の庭にカーポートの屋根がありました。
庭の盆栽などに被害はありましたが、その際もしも窓ガラスでも割っていたら、大事故ですよね。
その時業者さんが言っていたことがあります。
それは、カーポートの向きが悪かったね、ということです。
それは私の祖父も前から言っていたのです。
あの向きで風に耐えられるかな、と。
その時の台風はこれまでより勢力が強く、きっとその悪い予感が的中したのでしょう。
我が家の立地は、山から距離はありますが、山からの吹きおろしの風が強く吹く地域でした。
その風向きは決まっており、昔から住んでいる人からしたら、危ない方向にカーポートを向けていたということでしょう。
我が家のカーポートは被害に遭ったことはありません。
カーポートが飛んでしまったおうちと我が家との違いは2つ。
- 風を受けるところには家があり、その裏に駐車場を作っていること
- カーポートは、両側に支柱のあるかなりしっかりしていたものにしていたこと
です。
風が強い地域か、風向きはどちらによく吹くか、など知っていることで、結果は違っていたかもしれません。
大抵の場合、カーポートの設置は、新築の際に行います。
地元でない場合、地元であっても少しでも場所が違う場合、ハウスメーカーだけでなく、地元の工務店や外交業者さんの意見も取り入れるために、相見積もりを取るなどして情報をもらうことが大事です。
カーポートは風で飛びます。
この目で見たので間違いありません。
台風に強いカーポートを紹介!
台風が近づいているときに、外を見るのは大変危険です。
ですので、一番カーポートが危険なときに、様子を見ることはできないのです。
そのためにも、なるべく飛ばされにくいものがいいですよね。
台風に強いカーポートの条件を挙げてみます。
両側支柱
おしゃれなカーポートや、広々としたカーポートを探す際、まず両側支柱を選ぶ方は少ないでしょう。
やはり両側に支柱があると、家の外観を邪魔しますし、玄関への導線が悪くなったり、カーポート内も柱分狭くもなります。
しかし、物理的に言えばやはり、片側支柱より断然両側支柱のほうが、台風に強いカーポートと言えます。
設置面積的にどうしても片側支柱でないと難しいなどの場合は、補助柱をオプションで購入し、台風などの際に備えることを検討してもいいですね。
耐風圧強度が高いものであること
耐風圧強度とは、強い風にどれだけ耐えられるかという度合いです。
家の耐震性と同じように、カーポートも被害を抑えるために、耐風圧強度というものが示されています。
基本的には風速33m/秒が台風に耐えられる程度とされているようですが、近年、台風も竜巻もゲリラ豪雨も地震も、かつてないレベルのものが来ることもあり、予測しにくいですよね。
しかし台風はある程度、台風の通り道になりがちな場所、台風の発生地域から近く勢力が強い場所、など、必ず気を付けるべき地域はわかっています。
そのような地域にカーポートを立てるのであれば、耐風圧強度風速46m/秒くらいは必要と思っていてください。
まとめ
カーポートは台風などの強風や突風により、飛ばされることがあります。
台風がよく通過する地域や、風が強いなどの特徴がある地域にカーポートを設置する際には、まず安全性を優先し、両側支柱を採用することをおすすめします。
また、台風が発生し、進路に入った場合には、ロープやおもりを準備したり、屋根を外しておくなど、事前にできる対策をしておくことが大事です。
地域によっては2階建て以上を作る、屋根はこの素材を使う、塀は作らない、など、昔からの知恵で守られていることがあったりします。
たとえば新築で家を建て、カーポートを考える際などは特に、近隣の家がカーポートを構えているか、どんなものを採用しているかなど、よく見てみるのが得策です。