自治会や町内会で募金を募るときは、ぜひ募金の文例を活用することをおすすめします。
赤い羽共同募金や歳末助け合いなどさまざまな募金活動があり、コンビニに置かれている募金箱にお釣りを入れたことのある人もかなり多いんじゃないかと思います。
募金活動は自治会や町内会を通してお願いされる時もありますが、自治会や町内会で募金を募る側になった場合、お願いする時や集金をする時は注意が必要です。
お願いの仕方や集金の仕方によって裁判で争われた事例もあるんです。
こういうときは、より手軽に・安全に・そしてより相手に伝わるように町内会の募金の文例を活用することをおすすめします。
では、文例とはどのようなものなのか?
お願いの仕方のポイントや集金の方法等を含めて紹介していきます。
目次
町内会の募金の文例の書き方を紹介!
自治会や町内会の募金の文例は、行政文書の通知文や依頼文のような独特の形式をしていることが多いです。
普段目にすることが少ないとっつきにくい形式なので、わかりにくいところもあるのですが、多くの言いたいことをコンパクトに書き込むにはやりやすい形式です。
文例の構成は大体次の通りになります。
- 出された日付
- タイトル
- 主文
- 別記
文例を活用する際は、この構成を意識してみると良いでしょう。
後ほど文例の書き方の一例をを紹介いたしますので、テンプレートとしてご活用ください。
では各構成ごとにどのような内容なのか説明していきましょう。
出された日付
この文書がいつ発行されたのかを表します。
文書の効力がいつ始まるのかがこの日付によって決まるので、非常に重要です。
タイトル
この文書が、何に関する文書なのかを表します。
このタイトルに「お願い」や「依頼」、「通知」などの文言を入れることで、この文書が依頼文なのか、通知文なのかなどの文書の性質を表すこともできます。
募金を募る場合でしたら、「お願い」や「依頼」などを入れると良いですね。
主文
主文は、この文書によって相手に何をしてもらいたいかなどの目的を簡潔に書きます。
長ったらしくなると読み手がうんざりしてしまうかもしれないので、必要最小限の記載にしましょう。
募金を募ることになった経緯を簡潔に記載するのも良いですね。
別記
別記は、主文に書ききれない細かな事項を記載するところで、箇条書きで記載されることが多いです。
例えば、募りたい募金の正式名称や、集金の方法などの募金の実施要項を箇条書きで記載すると、読む相手もわかりやすいでしょう。
町内会の募金の文例紹介
それでは町内会の募金の文例を紹介いたします。
令和〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇町内会会員各位
〇〇町内会
会長 〇〇 〇〇
令和〇〇年度〇〇募金のお願い
拝啓
暑さ厳しき折、会員の皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。平素は町内会の活動にご尽力いただき、誠にありがとうございます。
さて、令和◯◯年度〇〇募金を下記の要領にて募らせていただきますことを、お知らせいたします。
ご多忙中誠に恐縮でございますが、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、ご都合等があれば、下記連絡先までご一報くださいますようお願いいたします。
敬具
記
1.募金名称 : 〇〇募金(NPO法人〇〇主催)
2.募 金 額 : 〇〇〇円
あくまでも目安となっております。ご希望の金額で構いません。
募金をしないということも可能です。
3.集金期間 : 令和〇〇年〇〇月〇〇日から〇〇月〇〇日まで
集金期間終了後、1ヶ月以内にNPO法人〇〇に募金をいたします。
募金が完了しましたら、町内会報でお知らせいたします。
4.集金方法 : 集金担当員が集金に伺いますので、担当員にお渡しください
おつりが出ないようご協力ください。
町内会報にて、募金の完了とともに募金者氏名を公表予定です。
公表を希望しない場合は、集金の際に担当員に申し出ください。
5.連 絡 先 : 電話番号〇〇〇−〇〇〇〇−〇〇〇〇 〇〇まで
以上
主文の時節の挨拶は、その時期にあったものにすると良いでしょう。
時節の挨拶文の例はこちらの記事で紹介しています。
⇒町内会の回覧板のあいさつ文や文例を紹介!書き方のポイントやテンプレも!
募金の文例に限らず、町内会の回覧板の書き方や回覧板を早く回してもらう方法などを知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
⇒回覧板の書き方紹介!班長(自治会・町内会)はどうすればよい?
⇒町内会のお知らせ(清掃・総会)の例文を紹介!案内状の書き方は?
⇒回覧板を回すお願いの例文や早く回す方法を紹介!戻ってこない時はどうする?
また、作成した文書は他の役員方にも確認していただくことで、より客観性を持たせることができますので、役員数人に確認してもらうことをおすすめいたします。
このような文例を参考としながら、ご自身で読み手に伝わるかどうかを意識して文書を作成していただければと思います。
町内会の募金・寄付のお願いの仕方のポイントは?
それでは、文例を活用した町内会の募金・寄付のお願いの仕方のポイントを見ていきましょう。
かなりセンシティブなところもありますので、参考にする際は注意してください。
読み手がわかりやすいように書く
募金や寄付の目的ややり方などが相手に伝わらないと、誰も募金しようとは思いません。
誰にどのような内容を伝えたいのかをしっかり考え、読み手にとってわかりやすい内容になるように心がけることが大事です。
強制になってはいけない
募金を集めるときは、決して強制になってはいけません。
本来募金は、その人の「思想」や「信条」などの現れとして行ったり行わなかったりするものです。
募金を集めるために自治会費を増額したことに対して、「思想・信条の自由」の侵害にあたるとした裁判例もありますので、細心の注意を払いましょう。
いくら寄付するかや匿名にするかどうかも選べるようにする
「募金をするかしないか」と同じように、「いくら募金するのか」や「募金したことを匿名とするかしないか」などもその人の思想や信条に含まれます。
目標募金額が設定されている募金や寄付者名を公表する旨の記載がある募金がありますが、その場合は募金をしない選択ができるようにしっかり配慮しましょう。
町内会や自治会での募金の集金方法を紹介!
町内会や自治会での募金の集金方法にもさまざまありますが、募金があくまでも個人の自由であることに配慮して行う必要があります。
会費と一緒に集める
町内会費や自治会費の集金と一緒に募金を集めるやり方で、このやり方が一般的じゃないかなと思います。
注意点として、募金額を決めたうえで、その金額を会費と合計して集めるのはやめましょう。
会費は会費、募金は募金と分けて考え集金するようにし、募金に関しては募金をしない選択肢もしっかり用意して相手に伝えるようにしましょう。
担当者が個別に集金する
募金があるたびに、集金担当者が個別に集金する方法ですが、担当者の負担増えすぎる傾向にあり、正直あまり効率的とは言えません。
口座振込
町内会や自治会で銀行口座を持っているのであれば、口座振込を活用するのもおすすめです。
集金の手間がなくなるので、担当者の負担軽減になります。
ただ、募金した人の名前や個人情報が漏れることの内容対策をする必要があるのと、募金者名の公表・非公表の意思をしっかり確認する必要があります。
新型コロナウィルス感染リスクに配慮する
ここ1・2年の間に新型コロナウィルスの感染が拡大していますので、感染拡大防止に配慮し、接触は最小限にするように心がけましょう。
集金が難しい場合は、募金を諦める判断も大切です。
まとめ
募金や寄付は強制ではありません。
募金をするかしないか、いくら募金するか、氏名を公表するかしないかなどは、募金をする住民の自由になります。
町内会で募金を募る場合の文書や手紙を作成する際は、「思想・信条の自由」に配慮しなければいけません。
募金の文例を活用することは、募金のお願いの仕方や集金の仕方などを客観的に分析することになりますし、文書の内容をゼロから考える手間も減らしてくれます。
ぜひ募金の文例を活用してみてください。